神経科学最大のナゾを解く‼︎睡眠研究の最前線

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神経科学最大のナゾを解く‼︎睡眠研究の最前線

2022/12/31

せんげん台の整体ぽんて鍼灸整骨院

神経科学最大のナゾを解く‼︎睡眠研究の最前線

・動物は何のために寝るのか?
・なぜ人によって適切な睡眠時間は異なるのか?
人生の3分の1は眠っているというのに明確な答えはまだ誰も知らない。
実は睡眠とは、『神経科学最大のブラックボックスのひとつ』と言われています。
睡眠研究の世界的トップランナーの筑波大学の柳沢正史教授のお話し
睡眠と覚醒を表す例として日本庭園でよく見かける『ししおどし』
ししおどしの上向きになった竹筒にチョロチョロ水が溜まっていく状態が覚醒時。
7〜8割水が溜まって竹筒がカタンと傾いた状態が睡眠時。
水がこぼれて再び竹筒が上向きになって覚醒モードとなる。
この喩え話はコンセプトとしては正しいですが、わかっていないことが3つあります。一つは水によって表される『眠気』が何なのか?
私たちの脳は覚醒時間をカウントして、カウントに応じて眠気が増します。
竹筒に当たるそのカウンターが何なのか?
そして水が溜まったとき睡眠にスイッチする情報伝達機構はどういうものなのかというナゾだそうです。
そこで柳沢教授が行ったのが,8000匹にも及ぶ多数のマウスの脳波を計測し、睡眠に異常があるマウスを特定するという研究手法を行ったそうです。
膨大な作業を経て見つかったのが、寝ても寝ても眠いという睡眠の特徴を持つマウス。
『スリーピー』と名付けられたかのマウスはヒトで言えば『特発性過眠症』と名のつく睡眠障害にあたるそうです。


このスリーピー、体内の特定のタンパク質をリン酸化させる酵素を作る遺伝子に範囲があることが分かったといいます。
ちなみにリン酸とはタンパク質にリン酸基がくっつく化学反応で、細胞の増殖や死、さまざまな情報伝達を調整することが知られています。
遺伝子の変異がない正常なマウスでも断眠させるとタンパク質のリン酸化が進むことが,分かりました。
リン酸化を促す遺伝子に範囲があるスリーピーは、リン酸が過剰に進んでしまうため、寝ても寝ても眠い。
さらにリン酸化されるタンパク質の多くは脳内の神経細胞同士が結合するシナプスで働くもので、それらのタンパク質のリン酸化の過程が眠気の正体のひとつではないがという仮説を立てたそうです。
ヒトでも特定のタンパク質のリン酸化が起きている可能性が高いとのこと。
この研究を起点に現在もリン酸化を制御する上流や下流の伝達経路を明らかにする研究は続いているそうです。
 

数万人の大規模調査でさらなる睡眠のナゾを解く‼︎

柳沢教授がマウスでの研究と同時に進めようとしているのがヒトを対象にした睡眠の大規模調査。
『ショートスリーパーやロングスリーパーという体質によるもので,1人1人が持つ遺伝子によって決まっている。でも具体的に遺伝子がそれらを作り出しているのはほとんど分かってません。そこで睡眠を脳波レベルで図り、遺伝子型との関係を掴むための調査をこれから本格的にすすめていくことにした。』
睡眠時の脳波と遺伝子型のデータを蓄積するためには多くの被験者が必要です。最終的には数万人レベルの調査を目指しているそうです。
この大規模調査の足掛かりとして開発されたのが、脳波を手軽に計測できる『InSomnograf(インソムノグラフ)』
額と耳の後にシール状の電極を貼り付けるだけで医療レベル並みの精度の高い睡眠脳波が測れるようになりました。
脳波のデータをクラウドにアップロードし、クラウド上でAIが脳波を解析するというシステムです。
柳沢教授の研究グループが立ち上げたスタートアップ企業(S'UIMIN)が提供するサービスとして、すでに健診のオプションやクリニックの検査、企業の製品に関する客観的なデータ計測など、さまざまなビジネスが展開されています。もちろん個人で計測を申し込むことも可能です。

※インソムノグラフ

https://www.suimin.co.jp/

取り扱っている健診センターやクリニックに申し込めば個人でも利用は可能です


柳沢教授曰く『50年ほど前にオムロン社が家庭用の自動血圧計を開発すると、あっという間に普及して朝一番の血圧を測れるようになりました。そして血圧を測るだけで行動変容が起こり、血圧がさがるというエビデンス(根拠、証拠、裏付け)が出ています。最近では24時間連続して測れる血糖値計測計が登場し、やはり計測するだけで血糖値が下がります。同じように自分の睡眠を可視化することで睡眠が改善される可能性はあると思います。』と言っております。
ただ可視化するだけではなく、もちろん睡眠を改善するためのソリューションも提供してくれるそうです。
実際に睡眠外来などで入院して検査をするとなると大掛かりな機器を装着し、普段とはことなる環境下で眠ることになります。
その点、こうしたシステムなら普段通りの睡眠の質を手軽にかつ正確に計測できて、しかも個別にアドバイスをもらえます。
睡眠に悩める人にとって試す価値は大いにありそうです。

 

日本人の睡眠への意識が変わる未来を拓く

OECDの2021年のデータによると日本人の平均睡眠時間は7時間22分で加盟国33か国のうちで最も睡眠が短いです。
海外のシンクタンクは睡眠不足による日本の経済損失は年間15兆円と試算しているとのこと。
日本人は昼間にちょっと眠いのは当たり前と思っている人のほとんど。
ですが、欧米では昼間眠い=体調が悪いということになるそうです。
電車の中で眠るのは世界標準からすると異常なことだそうです。
睡眠はお金に喩えると住宅ローンと同じで最初に確保すべきもの。
ところが日本人は今月はお金が浮いたからいいレストランに行くように、余裕があるから寝るという感覚です。
それは生物学的に間違っていて、人は遺伝子的に決まっている必要な睡眠量を確保して初めて健康かつ生産的な生涯をおくることができる。

今後、柳沢教授の研究がさらに進めば日中起きている時にパフォーマンスを発揮し、寝るべきときにきちんと眠れる、そんな健全な生活が日本人のスタンダードになる日が来るかもしれません。

睡眠研究の支援サービス|脳波測定ならS'UIMIN(スイミン)

睡眠を脳波で客観的に測定することで、製品開発・効果検証といった研究支援サービスや、睡眠トラブルをスクリーニングする健康診断オプションサービスを提供しています。

お⾝体のことでお悩みの事がありましたら、お気軽にご相談ください!

 

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